看護師の子どもは不登校になりやすい?夜勤は?3つのキーワードから解説

ナース

「看護師の子どもは不登校になりやすい」こんなことを聞いたことはありませんか?

子育てをしているママナースにとっては、心配ですよね。

育児と仕事の両立はなかなか大変。でも、子どもの成長が大切。

この記事では、

看護師の子どもは不登校になりやすいのか
子育て中の夜勤はどうなのか

ということについて、統計データをもとに解説しています。

結論としては、

「看護師の子どもは不登校になりやすいということはない

子育て中は夜勤をしない方が不登校のリスクは減る

「キーワードは、安心感自立言語化

では、詳しく解説していきます。

不登校の推移

まず、どのくらい日本で不登校が確認されているのでしょう?

小中学生の不登校者数は増加傾向。R2年度では、小学生は100人に1人、中学生は24人に1人という割合です。

次に、学年別の不登校者をみてみます。

小学から中学に上がるにつれて、増加していっているのがわかります。

年々、増加傾向というのは不安ですよね。

次は、不登校の要因をみてみます。

不登校の要因

小中学生ともに、「無気力、不安」が一番多く、半数近くを占めています。次に多いのは、小学生は「親子の関わり方」、中学生は「いじめを除く友人関係をめぐる問題」です。3番目に多いのは、小中学生どちらも「生活リズムの乱れ、あそび、非行」でした。

これだけだとよくわからないので、1つ1つ整理してみます。

① 不安・無気力

不安は、「明確な対象のない恐れ」と表現されたり、「対処できない危険に遭遇するかもしれないという懸念の感情」などと表現されたりします。つまりは、安心できないこと。不安が強くなると、身体に症状が出たり(冷や汗や動機など)、その場から離れる行動をとったりします。不安は、前に進む力を弱めるものでもあり、自分を守るものでもあります。

無気力とは、「なにもする気力がないこと、意欲がないこと」。つまり、活動していくための活力、エネルギーが少ないこと。

「無気力、不安」からは、安心できず、活力もない状態であることがわかります。つまり、家で安心して、エネルギー補充できる環境が大切になってきます。

② 親子の関わり方・いじめを除く友人関係をめぐる問題

親子の関わり方」からは、小学生にとって、親とのかかわりの大切さがわかります。ここで、興味深い研究資料をみつけました。この資料によると、不登校経験のあるカウンセリングをうけた52名の面接時のメモを分析した結果、子どもとの安定的な愛着形成の重要性が示されています¹⁾。

いじめを除く友人関係をめぐる問題」では、中学生にとっての友人関係の重要さがみえてきます。思春期に入ると、子どもは親から離れて自立したいという欲求が出てきます。一方で、親から離れることにも不安をもち、これを友人との関係から安心感を得ようとします。新しいコミュニティをもち、自立に向かって成長していくのです²⁾。

また思春期は、それまでの発達課題をやり直す時期といわれています。あらゆる問題行動や身体・精神症状は、発達課題のやり直しのサインといわれています。いわゆる“反抗期”もそのうち。成長過程の大事なステップです²⁾。

③ 生活リズムの乱れ、あそび、非行

生活リズムの乱れには、睡眠リズムの乱れが影響しています。子どもは大きくなるにつれて、夜更かしをするようになります。ゲームやテレビなどの誘惑、また親の帰宅が遅い場合にも就寝時間が遅くなります。夜更かしをすると、朝起きれなくなったり、週末に「寝だめ」をするようになります。すると、体内時計はさらに崩れ、生活リズムは乱れやすくなります³⁾。

生活リズムを取り戻すコツは、「早起き」「朝の日光浴」です³⁾。

また、夜に安心して眠れる環境も大切でしょう。赤ちゃんは、眠くなるとぐずって母親に近づいてきたり、抱っこを求めたりしますよね。特に夜は、誰か安心できる人が近くにいるという安心感があるということは、案外重要なことなのかもしれません。

あそび、非行では、家や学校以外の場所に安心感や居場所を求めている可能性があります。親からの自立の過程かもしれませんが、しっかりと、子どもと向き合って話すこと、安心感や愛情を伝えることが大切でしょう。

要因の上位3つから見えること

キーワードは、「安心感」「自立言語化

安心感をもとに、自立に向けて成長していく過程と、不登校との関係がみえてきます(もちろん全てではありませんが)。

安心感は、本人の思いを受け入れ、無償の愛で応えてくれる居場所があることで、本人の心の中に宿っていくことでしょう。失敗も成長の糧、受け入れましょう。

また、自立のためには、エネルギーが必要です。愛情や、十分な睡眠、食事などによって、心身のエネルギーを充電していくことが大切になるでしょう。

子どもは、言語化がまだ苦手な場合が多いです。何を感じて、どう思い、どうしたいのか、日々の何気ない会話や、またはしっかりと向き合って、繰り返し本人と確認していくことも、成長の助けになるはずです。

まとめると、こんな感じです。

安心感を育てる
  本人の思いを受け入れ、無償の愛で応えてくれる安定した居場所となる
自立のためのエネルギーを充電する
  愛情や、十分な睡眠、食事など
言語化する
  何を感じて、どう思い、どうしたいのかを、本人と確認する

看護師の夜勤と不登校について

では、看護師の子どもは不登校になりやすいのでしょうか?

答えは、「否」

というより、「わからない」といった方が正確なのかもしれません。ただ、そのような調査結果は今のところ見当たりません(日本では)。

ただ、このような心配事があることは事実。このことは、実際に、不登校児が増えているから、増えているようにみえるのかもしれないし、何か仕事が影響しているのかもしれない。

とにもかくにも、安心感を育てること、自立のためのエネルギー充電、言語化が大切です。

夜勤については、できればしないほうがいいのかもしれません。夜に安定して親がいる方が、子どもの不安は減りますし、夜更かしの予防にもなります。夜勤をすると、自分のストレスが溜まって心身の余裕も減りますしね。ストレスが溜まると、愛情を伝えることが難しくなります。つまり、夜勤をしない方が、不登校のリスクは減ります

でも、どうしても夜勤をしなければならない場合もあります。そんな時は、必ず身近な誰かと一緒に過ごしてもらったり、食事を1人で食べさせなかったり、電話をしたり、親の代わりになるもの(ぬいぐるみや親の服など)を渡すなどの工夫が必要になるでしょう。

ただ、子どもの不安が強くなったり、不登校が見え始めたら、働き方を考え直すサインなのかもしれません。

まとめ

この記事では、

「 看護師の子どもは不登校になりやすいのか」
「 子育て中の夜勤はどうなのか」

という心配事に対して、統計データをもとに解説しました。

結論としては、

看護師の子どもは不登校になりやすいということはない
子育て中は、夜勤をしない方が不登校のリスクは減る

そして、不登校に関する留意点としては、

安心感を育てる
  本人の思いを受け入れ、無償の愛で応えてくれる安定した居場所となる
自立のためのエネルギーを充電する
  愛情や、十分な睡眠、食事など
言語化する
  何を感じて、どう思い、どうしたいのかを、本人と確認する

ということをまとめました。

もちろん、不登校要因上位3つの整理なので、これがすべてではないですが。

最近では、いろんな生き方があるから、必ず学校に行かなければならないわけではない、という考え方が浸透してきているようです。通信でも色々学べますし、サポートも以前より充実しています。「不登校( ;∀;)」と、そんなに張りつめなくてもいいんですね。

大切な子どもの成長がかかっています。

後悔のない働き方、接し方をしていきたいですね。

余 談

この記事を調べてみて、子どもって、愛情を求めてるんだな~としみじみと感じました。

かくいう私もそうです(^^)アイジョウホシイ~

「親子の関わり方」に大切な“愛着形成”となると、また違う記事が書けそうですね。

育児に奮闘するママさんナースの少しでも力になれれば嬉しいです。

今日も、肩の力を「はぁ~」と抜きましょ(*´Д`)

図表)出典:「R2児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省)https://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdf(R5.6.15利用)

参考1)「不登校発生の背景要因に関する研究‐不登校経験者による内省的語りの質的分析‐」家族心理学研究 第31巻第1号43~55, 2017https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafp/31/1/31_43/_pdf/-char/ja

                2)「思春期のこころの発達と問題行動の理解」(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-002.html(R5.6.19利用)

                        3)参考「子どもの睡眠」e-ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html(R5.6.20利用)

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