看護師の時給「割に合う?合わない?」ー平均年収、時給、夜勤・時間外手当ー

ナース

看護師の時給って高いの?年収は?
夜勤、時間外手当ってどのくらい?
 「割に合わない」って本当?

そんな疑問に対して、

厚生労働省や、日本看護協会、日本医労連・全大教・自治労連の資料をもとに、それぞれの平均値を算出しました。

この記事を読めば、

  看護師の平均年収、月収、時給

  夜勤、時間外手当の平均回数、手当額

  フルタイムの時給換算

が分かります。

結論としては、こちら。

時給は高め
地域、企業規模による年収の差は大きい
夜勤手当、時間外手当により、高めの収入になっている
時給換算すると、平均水準より少なくなる可能性がある

それでは、詳しく解説していきます。

パートタイムの時給

看護師のパートタイムの時給
           平均1500~1800円

厚生労働省によると、看護師のパートタイムの時給は平均1817円(令和4年賃金構造基本統計調査)

日本看護協会によると、平均時給1583円との調査結果が(2021年病院看護実態調査)

以上から、看護師の時給は、1500~1800円程が平均的なようです。

ちなみに、産業計の平均は、1,367円です(令和4年賃金構造基本統計調査)

これだけみると、高めといえますね。

以降では、平均的な年収、月収、諸手当との関係をみながら、看護師のフルタイムにおける時給を考えていきます。

看護師の平均年収・月収

平均年収(円) 平均月収(円) 年齢(歳) 勤続年数(年)
508.1万35.1万40.79.1
※出典:「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
          
             ※年収は、「月収×12+年間給与その他特別給与額(ボーナス)」にて算出

看護師の平均年収は、508.1万円

これをみて、高いと思った方、低いと思った方、いるのではないでしょうか。

給与は、年齢や地域、企業規模によって差が出てきます。

ちなみに、この年収の中には、基本給に加え、夜勤手当や時間外手当などの諸手当が含まれています

年齢別の月収

※出典:「看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)」(厚生労働省)

あれ、ちょっとこの月収高くない?と思った方が多いのではないでしょうか。

この図の数値は、役職者も含んだ数値です。

また、こちらの数値(月収)は、「令和4年賃金構造基本統計調査」の「月収+ボーナス1/12」で算出されています。

つまり、実際の月収より、ちょっと高めの数値になっています。

年齢別にみると、定年と思われる60歳手前まで上り坂(ピーク)、60歳以降は下り坂。

他の職種と比べると、30歳前半までは看護師の給与は高めですが、30歳後半からは給与の伸びが少ないですね。

ただ、定年以降の月収については、多職種と比べると、減り方が緩やかで、収入の安定性が伺えます。

年収の地域差

都道府県年収(万円)
北海道504.4
青森449.2
岩手478.7
宮城504.0
秋田487.0
山形472.5
福島489.0
茨城502.4
栃木449.7
群馬484.5
埼玉541.2
千葉514.1
東京564.0
神奈川527.8
新潟529.7
富山534.9
石川476.3
福井511.6
山梨498.3
長野496.7
岐阜531.8
静岡522.9
愛知521.2
三重490.0
滋賀518.2
京都516.1
大阪529.5
兵庫541.4
奈良545.7
和歌山530.1
鳥取450.9
島根483.4
岡山482.2
広島490.8
山口513.3
徳島494.9
香川496.9
愛媛437.8
高知458.0
福岡498.1
佐賀484.3
長崎481.0
熊本443.8
大分433.2
宮崎427.2
鹿児島396.3
沖縄477.5
                       ※出典:令和4年賃金構造基本統計調査

地域による、平均年収の一番高い場所と低い場所を比べると、その差は167.7万円です。

主要都市の年収が高い傾向にありそうです。

平均年収より高い都道府県は17ヵ所、低い都道府県は30ヵ所でした。

年収には、その地域の物価も影響しますが、地方では公共手段が少なく、車の維持費がかかったりするので、地域差は軽視できません。

また、寮生活が可能であれば、年収の高い地域で働くと、効率的に稼げるでしょう。

起業の規模(規模が大きいほど年収は高い)

下の表は、企業規模別の看護師の年収です。

企業規模平均(万円)  1,000人以上(万円) 100~999人(万円) 10~99人(万円)
男性 522.7553.9512.3459.8
女性 506.3556.2481.1460.4
          ※出典:「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
          
             ※年収は、「月収×12+年間給与その他特別給与額(ボーナス)」にて算出

企業規模が高いほど、年収が高いことがわかります。

1,000人以上の規模と、10~99人の規模とでは、約100万円の差がありますね。

夜勤・時間外手当は年間いくら?

年間 49万(夜勤手当)+23万(時間外手当)=72万円

508万の年収のうち、72万円は夜勤と時間外手当が占めている、ということになります。

これらを差し引くと、436万になります。

夜勤、超過勤務がない環境で、436万の収入であれば平均的、ということになります。

年間72万(月6万)を、投資や副業で稼げれば、夜勤や超過勤務分を稼げているという考え方もできます。

夜勤手当

病棟勤務における夜勤の平均回数は、3交代の場合は7.2回、2交代では4.3回(2022年看護職員の労働実態調査 日本医労連・全大教・自治労連)

また、手当の平均は、3交代の場合4,638円(準夜と深夜を足して2で割った数値)、2交代の場合11,286円です(2020年病院看護実態調査 日本看護協会)

3交代の月平均手当
  4,638 × 7.2 ≒ 33,393 円
2交代の月平均手当
  11286 × 4.3 ≒ 48,529 円

3交代と2交代を足して2で割ると、40961円

これを12か月分として考えると、年間約49万円になりました!

時間外手当

日本看護協会の調査によると、直近1か月間の超過勤務の有無に対し、「超過勤務をした」という回答は78.4%。平均超過勤務時間は17.4時間。対して、申告したのは平均8.7時間という結果でした。また、平均基本給額は279,326円です(2021年看護職員実態調査)

超過勤務時間の長さ以前に、申告時間が半分ほどという現実…

ここでは、申告8.7時間で計算していきます。

月の出勤日数は、年間休日平均117.1日を加味して、20日として計算。

1週間あたりの所定労働時間は、平均38.9時間なので、1日7.78時間としました(2020年病院看護実態調査)

月の平均時間外手当
 (平均基本給÷月の平均労働時間)×1.25×平均超過勤務時間にて算出
  {279,326 ÷(20×7.78)} × 1.25 × 8.7 ≒ 19,522 円

月平均19,522円の時間外手当という計算に。

これを12か月分とすると、年間約23万円という結果になりました!

フルタイムの看護師の時給は?

さて、本題です。

基本給の平均金額を、単純に時給換算してみます。

時給ですから、ここでは諸手当は抜きで計算しています。

フルタイムの時給
 平均基本給÷月の平均労働時間にて算出
  279,326 ÷ (20 × 7.78) ≒ 1,795 円

パートタイムと大差ないですね。

ところで、これは本当の時給ですか?

看護師として働くにあたり、通勤や、着替え、研修などの時間が必要になります。職場によっては、研修は時間内のところもありますが、逆に就業前に準備が必要なところや、休憩がなかなか取りづらいところも…。

通勤手当も出ますが、時間分出ていますか?ただの移動費ではないですか?

ちょっと計算してみましょう。

例えば、通勤に往復1時間、着替えの時間が15分、研修時間が月2時間として計算。
すると、月27時間を先ほどの計算式に組み込む形になります。
279,326 ÷ (20 × 7.78 + 27) ≒ 1,529 円

時給は200円減ってしまいました。

つまり、環境によっては、看護師の時給は実は低い…、という可能性も。

ちなみに、年収100万変わってくると、時給は535円変わってきます。

それとも、労働環境が整った、時給が高い職場を好みますか?

あなたの時給はいくらですか?

「割に合う」働き方はできていますか?

まとめ

この記事では、

看護師の時給って高いの?年収は?
夜勤、時間外手当ってどのくらい?
 「割に合わない」って本当?

という疑問に対して、それぞれの平均値を算出しました。

まとめとしては、

時給は高め
地域、企業規模による年収の差は大きい
夜勤手当、時間外手当により、高めの収入になっている
時給換算すると、平均水準より少なくなる可能性がある

自分の時給を考えて、「割に合う」働き方、生き方をGetしましょう!

看護師としての幸せな働き方、生き方の、少しでも力になれれば嬉しいです。

今日も、肩の力を「はぁ~」と抜きましょ(*´Д`)

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