● 看護師の時給って高いの?年収は?
● 夜勤、時間外手当ってどのくらい?
● 「割に合わない」って本当?
そんな疑問に対して、
厚生労働省や、日本看護協会、日本医労連・全大教・自治労連の資料をもとに、それぞれの平均値を算出しました。
この記事を読めば、
● 看護師の平均年収、月収、時給
● 夜勤、時間外手当の平均回数、手当額
● フルタイムの時給換算
が分かります。
結論としては、こちら。
● 時給は高め
● 地域、企業規模による年収の差は大きい
● 夜勤手当、時間外手当により、高めの収入になっている
● 時給換算すると、平均水準より少なくなる可能性がある
それでは、詳しく解説していきます。
パートタイムの時給
● 看護師のパートタイムの時給
平均1500~1800円
厚生労働省によると、看護師のパートタイムの時給は平均1817円(令和4年賃金構造基本統計調査)。
日本看護協会によると、平均時給1583円との調査結果が(2021年病院看護実態調査)。
以上から、看護師の時給は、1500~1800円程が平均的なようです。
ちなみに、産業計の平均は、1,367円です(令和4年賃金構造基本統計調査)。
これだけみると、高めといえますね。
以降では、平均的な年収、月収、諸手当との関係をみながら、看護師のフルタイムにおける時給を考えていきます。
看護師の平均年収・月収
平均年収(円) | 平均月収(円) | 年齢(歳) | 勤続年数(年) |
---|---|---|---|
508.1万 | 35.1万 | 40.7 | 9.1 |
※年収は、「月収×12+年間給与その他特別給与額(ボーナス)」にて算出
看護師の平均年収は、508.1万円。
これをみて、高いと思った方、低いと思った方、いるのではないでしょうか。
給与は、年齢や地域、企業規模によって差が出てきます。
ちなみに、この年収の中には、基本給に加え、夜勤手当や時間外手当などの諸手当が含まれています。
年齢別の月収
※出典:「看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)」(厚生労働省)
あれ、ちょっとこの月収高くない?と思った方が多いのではないでしょうか。
この図の数値は、役職者も含んだ数値です。
また、こちらの数値(月収)は、「令和4年賃金構造基本統計調査」の「月収+ボーナス1/12」で算出されています。
つまり、実際の月収より、ちょっと高めの数値になっています。
年齢別にみると、定年と思われる60歳手前まで上り坂(ピーク)、60歳以降は下り坂。
他の職種と比べると、30歳前半までは看護師の給与は高めですが、30歳後半からは給与の伸びが少ないですね。
ただ、定年以降の月収については、多職種と比べると、減り方が緩やかで、収入の安定性が伺えます。
年収の地域差
都道府県 | 年収(万円) |
---|---|
北海道 | 504.4 |
青森 | 449.2 |
岩手 | 478.7 |
宮城 | 504.0 |
秋田 | 487.0 |
山形 | 472.5 |
福島 | 489.0 |
茨城 | 502.4 |
栃木 | 449.7 |
群馬 | 484.5 |
埼玉 | 541.2 |
千葉 | 514.1 |
東京 | 564.0 |
神奈川 | 527.8 |
新潟 | 529.7 |
富山 | 534.9 |
石川 | 476.3 |
福井 | 511.6 |
山梨 | 498.3 |
長野 | 496.7 |
岐阜 | 531.8 |
静岡 | 522.9 |
愛知 | 521.2 |
三重 | 490.0 |
滋賀 | 518.2 |
京都 | 516.1 |
大阪 | 529.5 |
兵庫 | 541.4 |
奈良 | 545.7 |
和歌山 | 530.1 |
鳥取 | 450.9 |
島根 | 483.4 |
岡山 | 482.2 |
広島 | 490.8 |
山口 | 513.3 |
徳島 | 494.9 |
香川 | 496.9 |
愛媛 | 437.8 |
高知 | 458.0 |
福岡 | 498.1 |
佐賀 | 484.3 |
長崎 | 481.0 |
熊本 | 443.8 |
大分 | 433.2 |
宮崎 | 427.2 |
鹿児島 | 396.3 |
沖縄 | 477.5 |
地域による、平均年収の一番高い場所と低い場所を比べると、その差は167.7万円です。
主要都市の年収が高い傾向にありそうです。
平均年収より高い都道府県は17ヵ所、低い都道府県は30ヵ所でした。
年収には、その地域の物価も影響しますが、地方では公共手段が少なく、車の維持費がかかったりするので、地域差は軽視できません。
また、寮生活が可能であれば、年収の高い地域で働くと、効率的に稼げるでしょう。
起業の規模(規模が大きいほど年収は高い)
下の表は、企業規模別の看護師の年収です。
企業規模平均(万円) | 1,000人以上(万円) | 100~999人(万円) | 10~99人(万円) | |
男性 | 522.7 | 553.9 | 512.3 | 459.8 |
女性 | 506.3 | 556.2 | 481.1 | 460.4 |
※年収は、「月収×12+年間給与その他特別給与額(ボーナス)」にて算出
企業規模が高いほど、年収が高いことがわかります。
1,000人以上の規模と、10~99人の規模とでは、約100万円の差がありますね。
夜勤・時間外手当は年間いくら?
508万の年収のうち、72万円は夜勤と時間外手当が占めている、ということになります。
これらを差し引くと、436万円になります。
夜勤、超過勤務がない環境で、436万の収入であれば平均的、ということになります。
年間72万(月6万)を、投資や副業で稼げれば、夜勤や超過勤務分を稼げているという考え方もできます。
夜勤手当
病棟勤務における夜勤の平均回数は、3交代の場合は7.2回、2交代では4.3回(2022年看護職員の労働実態調査 日本医労連・全大教・自治労連)。
また、手当の平均は、3交代の場合4,638円(準夜と深夜を足して2で割った数値)、2交代の場合11,286円です(2020年病院看護実態調査 日本看護協会)。
● 3交代の月平均手当
4,638 × 7.2 ≒ 33,393 円
● 2交代の月平均手当
11286 × 4.3 ≒ 48,529 円
3交代と2交代を足して2で割ると、40961円
これを12か月分として考えると、年間約49万円になりました!
時間外手当
日本看護協会の調査によると、直近1か月間の超過勤務の有無に対し、「超過勤務をした」という回答は78.4%。平均超過勤務時間は17.4時間。対して、申告したのは平均8.7時間という結果でした。また、平均基本給額は279,326円です(2021年看護職員実態調査)。
超過勤務時間の長さ以前に、申告時間が半分ほどという現実…
ここでは、申告8.7時間で計算していきます。
月の出勤日数は、年間休日平均117.1日を加味して、20日として計算。
1週間あたりの所定労働時間は、平均38.9時間なので、1日7.78時間としました(2020年病院看護実態調査)。
● 月の平均時間外手当
(平均基本給÷月の平均労働時間)×1.25×平均超過勤務時間にて算出
{279,326 ÷(20×7.78)} × 1.25 × 8.7 ≒ 19,522 円
月平均19,522円の時間外手当という計算に。
これを12か月分とすると、年間約23万円という結果になりました!
フルタイムの看護師の時給は?
さて、本題です。
基本給の平均金額を、単純に時給換算してみます。
時給ですから、ここでは諸手当は抜きで計算しています。
● フルタイムの時給
平均基本給÷月の平均労働時間にて算出
279,326 ÷ (20 × 7.78) ≒ 1,795 円
パートタイムと大差ないですね。
ところで、これは本当の時給ですか?
看護師として働くにあたり、通勤や、着替え、研修などの時間が必要になります。職場によっては、研修は時間内のところもありますが、逆に就業前に準備が必要なところや、休憩がなかなか取りづらいところも…。
通勤手当も出ますが、時間分出ていますか?ただの移動費ではないですか?
ちょっと計算してみましょう。
例えば、通勤に往復1時間、着替えの時間が15分、研修時間が月2時間として計算。
すると、月27時間を先ほどの計算式に組み込む形になります。
279,326 ÷ (20 × 7.78 + 27) ≒ 1,529 円
時給は200円減ってしまいました。
つまり、環境によっては、看護師の時給は実は低い…、という可能性も。
ちなみに、年収100万変わってくると、時給は535円変わってきます。
それとも、労働環境が整った、時給が高い職場を好みますか?
あなたの時給はいくらですか?
「割に合う」働き方はできていますか?
まとめ
この記事では、
● 看護師の時給って高いの?年収は?
● 夜勤、時間外手当ってどのくらい?
● 「割に合わない」って本当?
という疑問に対して、それぞれの平均値を算出しました。
まとめとしては、
● 時給は高め
● 地域、企業規模による年収の差は大きい
● 夜勤手当、時間外手当により、高めの収入になっている
● 時給換算すると、平均水準より少なくなる可能性がある
自分の時給を考えて、「割に合う」働き方、生き方をGetしましょう!
看護師としての幸せな働き方、生き方の、少しでも力になれれば嬉しいです。
今日も、肩の力を「はぁ~」と抜きましょ(*´Д`)
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